これから新卒でタクシー業界を目指す人へ


東京のタクシー大手、国際自動車(km)や日本交通などが、いま非常に躍起となり大学の「新卒者」の獲得に名乗りを上げている。

乗務員という職業に新卒者を大量に採用し実現させている両社の狙いと思惑とは?

オジサンの職業の専売特許だったタクシー運転手がいま、変わろうとしている。

早慶や国立大・高学歴が実は多数のタクシー乗務員

特に国際自動車(以下km)は、非常に新卒者採用に長けいると言える。

公式の採用ページを見ても、非常に前向きで「自分の夢を追いながら仕事を続けても構わない」というスタンスが、非常に若者=新卒者である彼らの指示を集めているようだ。

驚くべきは、中には早稲田・慶応義塾といった一流大学を卒業した学生さんも新卒乗務員として採用されているのは驚きの連続でもあった。

もはやここ数年の事を見ると「いたって普通」の事であるような事実に非常に驚かされる。

高い学費を払って名のある一流大学をやっと卒業させたのに、なにも「タクシー運転手」になる必要あるの?そんな保護者の声も多数聞かれる。

それら指摘をもカバー・克服し、今の新卒者大量採用の成功の土台にはいったい何が隠されているのだろうか。また、そこに挑戦する若者の思いとは何だろうか。

「個」を尊重する若者の心を捉えた採用側の多様性


ネット上にある新卒者成功の裏にはという記事をいくつか見てみると、やはり採用担当側が、非常に多様である学生の心を掴んでいる事が如実に表れてるという印象が非常に強かった。

中でも多いのが、自分のやりたい事、夢を追いながら続けながら仕事をしてもらった良い、または達成できそうならいつでも辞めても良いんだよ、という前提で面談や説明会などで語っている事が非常に特徴的だ。

今の若者は、個性や自分の思いや形を大事にするゆえに、新しい社会に飛び込んでもそれらを潰されず、尊重してくれる大人とその会社に非常に心を奪われるようだ。

確かにそんな会社はそうそうに無いので、学生時代の理想などときめくような希望の心は良く分かるものだ。

かといえ、高額な学費を四年間払い続けた親御さんの気持ちも分からなくない。

タクシー運転手にさせる為に大学に入れた訳じゃないんだぞ、という本音とも受け取れる思いには、ある意味で胸が痛む思いは伝わってくる。

そんな親御さんたちをも説き伏せた、大手各社の決め文句は何だろうか。

両親の職業価値観を変える、タクシーへの偏見を無くす企業取組み


大手各社の代表取締役や主要幹部が揃って保護者向け説明会を開催し、直接親御さんに若い力の必要性を訴えかけ続けたのは、大量採用の一つの決め手にもなった。

特にタクシー乗務の安全性、お給料について、いざトラブルがあった時の対処など、会社が全力でお子さんをお守りします!という姿勢は確実に功を奏し、その熱意に押された親御さんは、タクシーという職業を軽視し誤解していたと理解された方々も少なくなかったようであり、こういった企業幹部の草の根運動が年々、着実に成果を出し続けている要因でもある。

確かに、実際に若い乗務員のタクシーに乗ると全てでは無いにせよ、フレッシュな感覚が伝わってきて、非常に素直な段階なので、乗っているお客としても非常に感じが良い乗務員さんが多いように見受けられる。

ふて腐れて、面倒くさそうに、不愛想に対応するワケの分からない乗務員の車両に乗るより、よっぽど感じが良いのは確かであった。

「時に利用し助け合う」会社側と学生の思惑の一致


面接時の対応も非常に良かったようで、特に入社を決めた学生さんたちも一番親身に話を聞いてくれた、自分の夢を応援してくれる姿勢に感動する学生も見られたようだ。

確かに、これから入社しようとしてる会社の面接で自分の将来の夢、独立したい、起業したいという夢を面と向かって応援すると言ってくれる会社・業界はそうそうない。

サポートしてくれるかもしれないが、会社の本音は、自社の稼働率を維持したいというのが本当の所なのだ。

ここはお互い持ちつ・持たれつのイーブンな関係で利用させてもらえばこれだけ給料がもらえて、融通の利く仕事は少ないように思える。

新卒で入社する学生は会社の真の目的である、稼働させるための労働力を提供しその分、会社はこの仕事特有の融通を活かし、新卒乗務員の夢や目的を給料を支払いながら応援する。

このバランスでこそ、新卒タクシー乗務員の本当の意味での価値が示されるのだ。

新卒者の入社後・実際にどう?実際の運転手さんに聞く


我々の想像より、辞める人間は意外と少ないようだ。特に心配される新卒女性乗務員の方は、入社早々に思ったよりお給料がもらえたりもするので居心地としては悪くないようだ。

利点は、事故やトラブルなど問題が無ければ、基本的にタクシーの仕事はすべて自分の意志で動けるので自由とも言える。

先輩や上司とのコミニケーションは、乗務中はほぼ皆無であり、あくまでお客様への対応と安全運行が全てである。

運転と接客が苦にならなければ、新卒タクシー乗務員という形は新たな可能性を感じさせてくれる。

私は自分で感じるのは、運転技術どうこうよりも、タクシーはいかにお客様との意思疎通が大事かであり、ある種の「伝言ゲーム」の要素を占めている職種だと感じる。

安全・確実・迅速に目的地へ移動する事が至上命題であるので、道順・経路の確認やどこがゴールなのかをしっかりと聞き出す必要があるからだ。

お客様は思った以上にぶっきらぼうだったり、時に分かっていない場合もあるので、いかに「うまく希望の目的地を聞き出す」手段こそ、実は一番求められる能力なのかもしれない、と最近は強く思う。

若者こそタクシー業界を目指すべき


会社側も若い人材を言わば広告塔的な意味合いで、雇用する意識は当然強いように思われる。

言い方こそ乱暴ではあるが、会社も雇われる若き社員も双方の良い所を「利用する」概念で新しいタクシー会社の体制を築き上げれば、オジサンの仕事という概念を払拭し、さらにタクシー業界への門戸を広げる事が出来るはずだ。

門戸は広い業界であれど、時に高いアベレージを維持し続けるのは至難な一面もある世界ゆえに若い力が試され、求められている。

大学を出て初めて勤める会社がタクシー会社で何が悪い!と、張り切って新卒学生さん方に言ってもらえるよう、特に大手2社は総力を挙げて若手を育成している真っ最中だ。

正しいやり方を行えば売り上げとして、自分の収入になりダイレクトに跳ね返る仕事でもある。

ぜひとも、今後の新卒者による新しい勢力で、業界の負の慣習を跳ねのけて若い人こそタクシーを!と積極的に飛び込んできてもらえるよう、願ってならない。