漠然とし過ぎてる「運転が上手い」の意味とは


近年になって、例えばお年寄りの事故のニュースだとか、トラック・バス業界などの労働条件の悪化に伴い過労運転による事故のニュースなどが連日のように報道されています。

そもそも上手い運転や安全運転って漠然と語られるけど、どういった運転をしている人が上手くて、安全で安心して乗っていられるの?って話です。

コレって結構漠然としているし、人によって定義も違うようなので分かりにくいテーマなのです。

一つ確実に分かり切っている事は、上手い運転・事故を起こさない運転とは、確実に止まるべき場所やタイミングで止まる事が出来る人を上手い運転をする人、とワタシは定義しています。

なぜ「止まれ」が出来る人は上手いのか?


一般的に言われる「上手い運転」とは、ハンドル操作やペダル操作の部分である運転技術の事を指していると思います。

車両感覚が優れているから、車庫入れもスレスレに入れられるし、車庫入れもいつも一発で決めるし、アイツは・あの子は運転上手いよね~も同様にこの部類に含まれます。

もっと大局的に見て、本当に上手い運転とは?と考えると、極論は操作云々というよりも、事故を起こさない運転をする人がワタシは「運転の上手い人」と言うと思います。

今のように職業的に運転をする以前というのはやはり、前述の通りハンドル操作などの技術的な部分のみでしか見れていませんでした。

しかし、自動車というのは複雑な交通状況の中で、人間という極めて「不安定」な生物が機械を操作するというもの。

その複雑な交通状況でも、自分がしっかり止まる事さえ出来れば、自分が加害者となってしまうような事故はまず防ぐことが出来るのです。

単純な話で「動き」さえしなければ車はぶつからない。停止していてぶつけられる事はあっても、自らがぶつけてしまうという事はまず起こり得ないからです。

無事故・無違反35年の大ベテランの仕事から思ったこと


初めて就職したバス会社で、無事故・無違反で国土交通省や業界団体から毎年表彰を受けるようなベテランの乗務員が居ました。

自分(当時22歳)の人生よりもはるかに長い時間を運転の仕事をしていて、さらにその期間を無事故・無違反で過ごしているという事実は、想像を絶する世界でした。いや、想像もつかないといった方が正しいでしょう。

もちろん同じ職場の大先輩でもあり自分の親と同世代の人でしたが、一度機会を作ってその先輩が定年退職を迎える前に、その実務を拝見しようと思い乗せて頂く事となりました。

技術が上手い、という印象よりもひたすら地味な印象を受けましたが、一つ一つの動作が「確実」で、発進・停止・右左折は特に慎重であった事が印象深かったのです。

事故やトラブルが起きるとするならば、やはりこれらの瞬間に起きる事が十中八九と言えるでしょう。

だからこそ、メリハリを付けて止まる所はしっかり止まる。自転車・歩行者が来ない事を確実に確認して発進する。「上手い運転」の原点とはここにあったのです。

安全確認は軽視されがちですが、安全確認さえ確実に履行されれば、自らが起こしてしまう事故は「ほぼ無くす」事が出来るのです。

自動車の運転とは時に精神修業の場である


事故やトラブルのほとんどは、発進・停止・右左折時などが大半であるがゆえに、確実に他車の所在を把握する事こそ、事故防止の最大のポイントとなるのでした。

自分さえ止まる事が出来れば、ほとんどの事故は回避が出来る。すなわち「確実に止まれる人」は運転が上手いと言えるのでした。

ただ、そこは人間なのでその時の心情などで運転など左右されてしまう事もあるでしょう。

正直、精神修行も運転技術向上に含まれると言えるのです。

ワタシみたいなのは、特に生涯修業となるでしょう(涙