古傷との再会・痛い記憶の底から学び取ること

久々に朝イチで川崎方面への仕事となりました。

普段あまり行かないエリアとあって数少ないながらも、この川崎という地でとても痛い経験と記憶が蘇ってきました。

数年前の一件ではありますが、それだけもう時間が経過したかと思うと懐かしくも感じます。

移籍した今の所属する会社に移って数カ月たった頃の夜中のお話。

その日は一日中コツコツ走り続けても売上が非常に伸び悩み、勤務終了の時間も間近に迫ってきたころに一本の無線配車が飛び込みました。

普段ならば、自分のメインとするエリアではないので積極的に今いるエリアで無線を取ることはしなかったのですが、さすがにこの日はそんな悠長なことは言ってられません。

どうにかあと一本こなせば何とか目標のラインに売り上げが乗るので、最後の最後で粘っている所に来た無線だったので何の躊躇(ちゅうちょ)もせずに無線を取りました。

行き先はとある駅近くの飲み屋さんから。

あまり地理が詳しくないエリアで、なおかつ夜深い時間帯の飲み屋さんからの無線は緊張するのです。

理由は明確で、酩酊状態のお客さんに「A町の2丁目まで~」と言われたとしてもすぐに最短経路が思い浮かびません。

分からない場合はカーナビ対応するなり機械の支援を受けますが、お客さんによってはカーナビは遠回りするというイメージが強いため極力使わないようにします。

画面上でナビのカーソル移動などして、あくまで地図代わりに使用する位が基本的なスタイルです。

嫌な予感は当たるもので、案の定ベロンベロンに酩酊したおっさんがご乗車。

おっさんと同様にクラブの姉さんも一緒に同乗するも、まあ何とも冷たい感じがしてとても「新人です~地理不案内でございますが・・・」のお決まりの名文句を言う状況ではありません。

この近辺の土地勘などサッパリなのに、こりゃエライお客を乗せてしまった、と思っても時すでに遅し。

こういう状況でも、素直に「地理不案内」の旨はしっかりとお客さんにお伝えすべきでした。

曖昧な対応が原因で地獄を見る、意思表示は明確にせよ

明確な意思表示をしなかった(出来なかった)その後のワタシはどうなったか?

泥酔・酩酊状態のおっさんとクラブの姉さんは、何とか姉さんが頼みの綱かと思いきやすぐ近くで降りられてしまった。

問題のおっさんはボソッと「Bまでいけ●×▲~。」かろうじて聞き取れた位ではあったが、その問題の目的地の場所がサッパリよく分かりません。

いまにしてみれば、特に何て事ない場所だったりせめて細かく分からなくとも、方角さえ分かれば対応は可能です。

酩酊・泥酔者にバカ正直に「新人なもので~このあたりちょっと地理不案内でして」と述べた瞬間、まるで漫画の一コマかという位、ド派手に罵声を浴びせさせれます。

「バカヤロウ!!dl295f@ー怒怒!」

呂律がアレでしたが、なんでそんなとこも知らねえんだバーロー!って意味で怒鳴ってるのでしょう。

こういうケースって実は何度か遭遇してますが、このケースに限ってはしっかり意思表示を最初からしているか、ないしは自信のない地域で無線配車を取らなければ、回避出来た事案といっても良いでしょう。

怒鳴られたことが問題なのではなく、分からないなら「分からない」と明確に意思表示出来なかった対応が一番の問題なのでした。

東京でもそうでしたが、渋谷・六本木・歌舞伎町など繁華街系の夜のお客はこのクラスはゴロゴロいるので、ある程度対応できるレベルでないと非常に面喰いトラウマとなる可能性が高いでしょう。

タクシー乗務員は、こういう経験を重ね次第に夜の繁華街に近づかなくなるか、地理や泥酔客を克服して果敢に攻め続けるコースに大きく分かれていきます。

今回のケースは、明らかにワタシの対応が中途半端すぎたこと、泥酔したお客さんに「のまれて」しまった事が大きな原因と言えるのです。

まとめ

どんな仕事でも、あるいは学校での出来事などに共通している事案かと思われます。

分からない事はしっかりと「分からない」と相手に伝える。

出来ない事はしっかりと「出来ない」と相手に述べる。

うやむやな対応を取るから相手はつけ上がるし、余計に調子づかせてしまう。

タクシーの場合、明確な意思表示をすると「あ、じゃあいいや」といって、ここぞという時に降りられてしまう事を懸念して、地理不案内を述べられなかったというケースは多発します。

お乗せしてしったかぶり対応していざという時に道を間違えてしまった、しかもお客さんは急いでいると言った場合は間違いなくクレーム・トラブルの火種になります。

むしろ、最初にしっかり意思表示を告げて降りられてしまう方が、トラブルになる事を考えればよほどマシな対応だと言えます。

問題が起きてからでは遅いのです。

事前に回避できる問題も世の中には多数存在するので、自分の力量とよく相談して応対する姿勢こそ長く仕事を続けるコツだと言えるのです。

これは当然タクシー業界のみならず、全ての業界・業種でも同じことが通じるのではないでしょうか。