聞き出すのが絶妙に上手い人の番組は面白い
ラジオを仕事中よく聞く~そんな話を何度か書かせて頂きました。
思わず聞き入ってしまうラジオ番組の特徴として、やはりパーソナリティの力量は大きいのだなと感じます。
何気なく聞きかじっていただけですが、圧倒的に違うなと感じた事がありました。
とある有名司会者の番組でのお話です。
著名な方から一般のその道の各方面のプロの方まで様々な人がゲストで登場します。
特に凄いと思わせられるのは、一般のその道のプロの方を招いた時の放送回に見られます。
必ずしもメディア慣れしていない人が、緊張し喋れないという事も十分に想定出来るでしょう。
そうなると番組が成り立たない。
特に音声のみのラジオで会話が弾まなければ放送回として厳しい。
限りなく失敗に近いと言えるような状況も十分に想定できます。
このパーソナリティはそこを引き出すのが抜群に上手い。
色んな番組を聞きかじっていますが、話の広げ方や
聞き出したかに関しては、どのパーソナリティをも凌ぐなと個人的には思っています。
果たしてそれは誰であるか?
知らない世界の話題でも十二分に対応できる話術
話術というようなサブタイトルを書きました。
実際には司会者の下調べが物すごく入念であるという事だと言えます。
色んな分野のスペシャリストがその都度登場します。
ある日は料理の世界の方、そのある日は運動のスペシャリストというように。
メジャーな世界からマイナーな世界まで様々な分野をカバーします。
特に凄いなと感じたのは「峠研究家」の方を招いた時の回は秀逸です。
まず峠研究家とは何ぞや?と普通は思うに違いありません。
このゲストの方は10年間で日本全国に2954本ある峠・峠道を訪れ制覇したという方でした。
建築関係の会社に勤務するこの方、丈夫な建物を建てる為に土地の地質を調べたい。
その為に、実際に山に行き土地の断層を見る事によってデータを得たいという所から峠を訪れる事がはじまったそうな。
山肌を切り崩し道を造る、そういった周辺には色んな断層が露出するので調べるには丁度良かったのだとか。
地盤・地質を調べていると、当然その峠の情報も入ってくる。
それらを調べていると、峠には歴史的な建造物があったり、かつての旧街道の史跡・跡地が存在したり知らないお寺が存在したり。
歴史的に価値のあるものが実は相当数点在している事に気がつき、その魅力に調べているうちに取りつかれてしまったとか。
確かにこれだけちょっとマイナーな話題?ともなれば、なかなか掘り下げるのは難しい。
自分が知らないことだらけなので、何をどう聞いていいのか分からない。
このパーソナリティは、圧倒的な知識量、もしかすると事前に調べたのかもしれませんが、ゲストに対する質問の内容が
非常にレベルが高いので、ついついゲストも興奮してしまい話し込んでしまう。
それを色んな分野のスペシャリストに対応できるのが素晴らしいと思いました。
峠道には世代があるのは非常に興味深かった!
道路に「世代」とは何の事か?と思いますが、初代の峠道、二代目の峠道と世代を超えて新しく出来た道の事です。
古き時代は、道を造る技術も乏しかったから峠道は山肌や尾根などに沿って開通します。
その為、古い世代の峠道こそ標高の高い場所を通ります。
その次の世代の峠道は、例えば橋を造る技術が確立されたのでより直線的に開通出来るようになった。
その為、少し低い標高を通ってもより落差もなく直線的に峠を越えられる。
さらに新しい世代になると、トンネルを掘る技術が確立された。
山肌を登らなくとも、トンネルを直線的に通過出来れば何も険しい山道を登る必要が無い。
さらに低い標高に新しいトンネルが出来て道が開通する、というように。
新しい世代ほど峠道は低い場所を通るのですよ、という話は非常に興味深かった。
それらを峠研究家にして、そのスペシャリストのゲストは「よくご存じですね!」とより熱を入れて話し込む。
事前準備が入念な人ほど、やはり引き出しは豊富なのだと改めて実感しました。
そして何よりも聞いていて面白いので、黙って思わず聞きこんでしまうのでありました。
まとめ
出来るパーソナリティは、引き出しが豊富でゲストの話に割り込まない。
いかに喋らすかを心得ている。
トークに関して素人のゲストを、時間を忘れるほど話し込ませる会話術は秀逸です。
そのパーソナリティは誰か。
かつてテレビ朝日系・夜の報道番組ニュースステーションでお馴染み「久米宏」さんでした。
この人は非常にクセが強いけど、そのクセ=個性が面白いのだと特に感じました。
クセという個性はマイナスでなく、むしろプラスなのだと思います。