逆キレで見習いが立場が強くなる?妙な事例

徳島県のバス会社が運行する高速バスで、男性運転手が指導員とケンカして乗務を拒否して運行が止まってしまったというニュースが目につきました。

高速バス運転手が指導員に逆上し運転拒否、客を1時間放置

「ギアを上げて走行されるよう指示されて逆上」と書いてありますが、コレ何でこんなんで逆ギレするの?って思った方は多いかもしれません。

完全に推測でモノ申すので違っていたらそのあたりはご容赦ください。

ワタシ自身のかつての経験でも非常によく分かるのですが、まず見習いとして添乗乗務という形で指導員が一緒に乗務しての仕事だったのでしょう。

このキレたという当該運転手も他社でバス乗務経歴があるのでまるっきりバス運転士としては、経験者ということで全くの新人では無かったのでしょう。

むしろ結構のベテランだったという可能性もあります。

新しい会社に入り、ギアのシフトアップの事まで事細かにいちいち言われ続けた事から、イラ立ちがピークにきて逆上したのではないか?と推測します。

推測ではありますが、この当該運転手は元々街中を走る路線バスの経験者であったのか、とも思いました。

路線バスの乗務員は比較的ギアを引っ張る傾向があるので(もちろん本人のクセもありますが)、そういった傾向が高速バスに乗務していた時にも出ていたのではないかと思われます。

観光・高速バスで使用する車両は、街中を走る路線バスと比べてもエンジンなどのパワーも非常に大きく力があります。

それゆえに、路線バスの時のようにギアを引っ張る(回転を上げる)ような運転をせずとも、余力を持って走れるので回転をあげて運転する必要はありません。

該当する徳島県のバス会社は元々は夜間高速バスで名を売った会社ですので、主とする路線は「夜行バス」であると思われます。

夜行バスというのは、例えば当該会社の路線で言えば夜の21時前後に徳島を出発して翌朝6時~7時に東京へ到着するというもの。

夜間の移動手段という事なので、当然ながらお客さんは乗車時間の大半は寝て過ごす事になります。

ギアを引っ張って運転するという事は、当然エンジン音もいくらかうるさくなりますし、車内の衝動もいくらか揺れるような形にはなりやすいと言えます。

先にも述べたように、夜行バスで使用される車両は非常にハイパワーであるのでギアを引っ張る必要がありません。

お客さんが快適に移動出来る、または寝てもらうためにはギアを引っ張って運転するのはうるさいし、揺れるし夜行バスの特性に反していると言えます。

必然的に、このような夜行バス、あるいは観光バスでの運転は回転を上げるような運転は最大限控えなければなりません。

目指すべき運転は「静かで揺れずにそして快適に」がモットーとも言えるので、指導員はそれらを踏まえてギアを上げるよう指示したのだと思われます。

ボイコットしたバス経験者の運転手はその細かな指示でギアのシフトアップのタイミングまで言われて、おそらくアタマにきたのでしょう。

人間いくつになっても学ぶ心を忘れたらおしまい

自戒の意味をこめてワタシもそうでしたが、経験者ほど細かな指示をされることを嫌がる傾向が強いと言えます。

自分の運転スタイルが出来上がってしまっている為で「なんで今さらそんな事まで言われなきゃならないんだ!免許取る教習所じゃないんだ!」

という心理が、今回の事件の全ての根源かもしれません。

この運転手が、全く初めてバスの運転手をするのであるならそこまで怒る事は無かったかもしれません。

「ああ、バスというのはそういうものなんだな」と素直に思えるからです。

そして、誰しも最初は必死なので何とか仕事を覚えようとするので指導員についていくのにやっとなので反抗する余地もありません。

この運転手は50代とあったのでバス運転歴が割と年数があり、今回の指導員より自分の方が長く経験がある、ということも今のバス業界では起こり得ます。

師弟の経験年数のねじれ現象とも言えますが、そういった面も今回の一連の経緯の背景として考えられます。

もちろん勝手な推測ではありますが、いずれにせよ指導員ごとに教え方も運転の仕方もそれぞれ違います。

どんな業界・職種にでも言える事かと思いますが、どの指導員・先輩のやり方が正しいかといえば、それぞれに正しいと言わざるを得ません。

前回習った指導員とは真逆の事を言われた!なんて事もあるかもしれませんが、その日の正解はその指導員のやり方が正解であり、前回習った指導員が間違いかと言えば間違いでもないのです。

それぞれに指導員・先輩ごとにやり方がありそれぞれが正解と思い色んなやり方があるのだな、程度にその時は収めておくのが一番でしょう。

その中で一番やりやすかったり、しっくり馴染むやり方を自分が選んで仕事をすればそれで良いのですから。

教え方に文句があれど、お客さんを乗せたまま仕事をボイコットするのは無責任も甚だしく言語道断と言わざるを得ません。

指導法に納得がいかず文句があるなら、乗務を終えたあとに営業所に帰ってたっぷり納得するまで指導員なり、上役を交えて話し合うべきでした。

後記

実際によくある話で運転手見習いって、実際に結構あれこれ言われる事はあります。

今回のギアの件もそうですが、ハンドルの切り方、ギア、ブレーキ、アクセルの踏み方など一挙一動注意する指導員もいます。

例えるなら、食事するときに「はい次、ごはん三口食べて、次、おかずのハンバーグを一口、その次ゆっくりお茶を一回飲んでetc…」みたいな感じに聞こえるかもしれません。

誰に習うかは入社した時の運もあるので、相性の合う合わないで相当な差が出るのは確かな事実です。