ハイヤー・タクシー業界に在籍しているものの、よく見聞きする話しでやはりこの仕事は人間関係が楽、というか希薄そうなので良いですね~といって入社される方もいる。実際の所、この業界の人間関係ってどうだろうか。筆者もバス(路線・観光)と一部トラック、そして現在のタクシーを経験した人間関係をそれぞれ考えてみる。

ここで扱う人間関係とは、主に乗務員同士の人間関係について。

まず、いま勤務するタクシー業界はというとある意味で人の出入りが一番多く見られる業界だ。タクシーの人間関係をおおまかに2つに分けて考えてみると、まずは都市型と郊外型である。都市型はいわゆる、東京都心部、横浜中心街など全国主要都市で流し営業などをメインとするタイプ。

筆者の会社は両方持ち合わせているのでどちらもやっているが、都市型はハッキリ言えば乗務員同士での人間関係は希薄に出来る。基本的には、流し営業したりお客さんが乗りそうな場所で待機する付け待ち、もちろん正式な乗り場に並んで仕事もあるが、色んな会社との競合するのが都市型なので一定の人たちとつるむ事はごく少ない。

親しい乗務員同士で休憩・食事したりする程度で後は各自好き勝手に自分の行きたい所で営業するスタイルだ。お客さんとも基本的にはほとんど一期一会で、たまに見覚えのある方を乗せる程度だし、乗車時間もそれほど長くないし希薄に出来る。人間関係をあまり複雑にしたくないなら都市型の方が自由だ。

一方の郊外型は、主要都市などから離れたエリアでの営業タイプのこと。主に特定の駅乗り場をメインとした、駅主体での営業がメインとなる。その他に、その駅の周辺地区の無線配車での営業。会社にもよるが、特定の駅を担当に据えられるので、どうしても顔を会せる乗務員もほとんど一緒だし、乗るお客さんも複数回お乗せするケースはよくある。

都市型のように自由にあちこちで営業するより、特定の場所に根ざして営業したい人には郊外型はおススメ。大きく売上を崩す事も無いし、非常に安定している地場仕事と言える。だが、想像以上に人間関係はあるのである程度は覚悟しておこう。

駅ごとに長く居ついて仕切り役のようなおせっかい乗務員もいれば、一見すると希薄そうに見える人も、裏では実は誰かと繋がっていた、特定のグループになっていた、なんてのはタクシー業界のみならず一般社会でも「よくあるある」な構造ではないだろうか。適度な人間同士の距離は改めて重要視される。

バス業界にいた時も、この郊外型現象と同じで似たような現象はあった。路線バスの会社では、特定の路線を同じ営業所のメンバーでひたすら時間を厳守しながら走る。もちろん、せまい住宅地や駅でのやり取りは大型車同士なので、とにかく「譲り合い」精神が無ければ通れなくなってしまう。

先輩、後輩の微妙な兼ね合いも出てきて(笑、そういう場所を闇雲に突っ込んで走ろうもんなら「アイツはとにかく止まれない、譲れない。周りが見えてない」とすぐ営業所や詰所の休憩所で陰口をたたかれまくる。本人に直接進言ればいいものを裏で吐き散らかすからたちが悪い。これはタクシーでもある。

観光バスの業界であれ、トラック・陸送業界であれ同じような身内での些細なやり取りとはいえ、こういう事が日常的に起こるような職場では気の休まる所が無い、という人がいるのも当然だろう。では、どんな業界に共通しうるこういう問題はどうすべきか。

自分が寛容になり気にせずに過ごすか、それらを学んで同じ失敗を繰り返さないようにするか、または人と距離を取る・職場を変えるか。間違っても他人を変えようと思わない事で、ほとんどの場合は自分以外である、他人を変えるのは不可能だ。

地雷とも言える先輩など同僚らとの付き合い方で望ましいのは、たとえ全く心のこもっていない?ような挨拶でも誰にでもすること。人間とは不思議なもので、全く話さない人と、ほんの些細な挨拶だけしかした事の無い人でも、その人への警戒心の壁がずっと低くなるのだ。

無意識の中で、特に仲が良いとも言えないやつでも「こいつは少なくとも敵ではない」と勝手に分類する特性が人間にはあり、それは身を守ると言うそもそもの人間の本能的な部分からからくる特性と言える。

必要以上にくっつく必要もないが、それだけもかなり潤滑油になるのでストレスを減らし平穏に過ごしたければ「嫌いな人でも心のこもってない挨拶を」は有効であるのでお試しあれ。

接客業の研修のように「真心を感じさせる挨拶を」というとかえってストレスになったり不気味がられるので、素っ気なくとも最低限な挨拶のパス回しは有効。心のこもってないようなやり取りに見えても、実は精神的な科学根拠を元にしても、これらの行動には意味があるとされている。

運転手は会社を出てしまえば一人で気軽に~、それは半分正解で半分間違いとも言えるので十分理解された上での転職を勧める。その業界の特有の感覚を何となくでも、話しを聞いたうえで入社するのとしないのでは大違いだ。

くれぐれも入社後に「こんなハズではなかった」というような状況には陥って欲しくない。どんな業種であれ、やはり人間関係は少なからずある。だが、自分次第でその影響は小さくする事は可能なので、この記事を読んだからと言って悲観せずに捉えて頂きたい。

PS

タクシーは自分の裁量で仕事が出来るのが最大の利点。翌日に仕事を持ち越す事も無く、その日その日のお仕事。長所と短所を理解すれば、のんびり出来ますよ。