Yahoo!のニュース記事でも少し前に伊藤かずえさんの愛車・初代シーマについての記述があった。1990年式の初代日産y31型シーマという車両に今も30年に渡り乗り続けているという話し。ワタシも年式こそだいぶ後になるが、01年式の同じy31型セドリックに乗っていた時期があったので、非常にこの方の車は興味深い。

芸能人の方というと、外車を乗り回し飽きたらまた違うクルマに乗り換えるなど、勝手ながら派手なイメージを連想するが伊藤さんは全く違う。同じ車に乗り続ける事の難しさというか、整備面での課題も多くなるし、日本という国の税制面でも不利な扱いを受ける。

まず自動車税は新規での登録から13年を経過すると増税となり、同じく自動車税も13年経過・18年経過した車両は2段階で増税となる。長く大事に乗り続けた人からこのような税金の取り方は、今の日本の自動車税等には理解できない面がある。乗り続けた方が、環境面においてもエコなハズなんですがね、本来は。

この90年式シーマで計算すると同クラスの新車のケースと比較すると、自動車プラス重量税の増税分は26000円位多くなると計算される。むしろ、こういうケースの方こそ税制面で逆に優遇すべきであるが、経済を回すという観念において国としては非推奨である、と言っているのと同然な税制である。

整備面でも同等なケースにおいて部品の調達が難しくなっている面も、クルマを長く維持しにくい(させにくい)現状は実際にある。ただ、昔の車両の方が構造は今の車ほど電子制御の部分や機械部がシンプルな面においては、手入れが行いやすいという整備士もいる。

さらに古いクラッシックカーの販売・整備を手掛けるようなお店だと、メーカーですら扱わなくなった部品を自社で作り上げてしまうお店もあるくらいだ。そう考えれば、伊藤さんのこのシーマもまだまだ乗り続ける事は十分に可能である。保管して30年目を迎えた訳でもなく「あくまで普段使いの車両」として30年を迎えた所が、特筆すべき素晴らしい点だと言える。

30年乗り継いで走行距離が約265000㎞という事で、1年に換算すると約8800㎞なので一般ドライバーの中でも結構走られている。その間にエンジン載せ替え1回、エアサスの交換2回と大きな修理も済ませている。エンジンはまだまだ大丈夫と予測されるが、エアサスの方は今後いかがだろうか。ただ、バネサスに替えても十分に乗り継げるので、所有する喜びは高い車と言える。

弊社の安い事業用の車でも、50万km越えの車両はゴロゴロいるし、このコロナ禍で会社全体(業界全体か)の売上も下がり、新車への代替えが見送りとなり、さらに60万km越えの車両もカムバックさせて、今でも現役タクシーとして稼働している。日産のフラッグシップセダンのシーマなら、なおさら問題なくこれからも走れるだろう。

30年以上経過する車を乗り継ぐと、今度は趣きが変わりちょっと高級な車の趣味の世界にも達するが、このようにコマメに手入れして無理なく大事に乗り継げば、誰にでも維持する事は可能だ。一番難しいのは、ワタシもそうだが人間は基本的に「飽きっぽい」ところ。そして、新しいものへ目移りしやすい。

動画の中でも、伊藤さんはシーマの前は2年ごとに乗り換えていた、という位なのでこの方が特別な訳ではなく、いかに相性の高い車に巡り合えた事が一番重要なポイントだ。日常使いなので燃費を気にしてワタシもy31セドリック手放してしまったけど、エコカー・ハイブリッドが全盛となる今に大排気量ガソリン車の魅力を改めて感じた。

そんな中で、令和の時代と言えど伊藤さんのシーマもあってか、この車種は非常に今価値が高騰して人気が出ている。サッとワタシが中古車サイトで伊藤さんと同様の車種を市場的にどうなっているか検索した所、全く同じホワイトのy31型90年式24000km(R2年12月現在)で総額360万という超強気の価格で売りに出ている。

車両状態としては、超極上でありこの上ない。30年前にこの車両は当時約500万で販売されていたそうなので、いかに寝落ちしていないのか、また一部の層に根強いセダン人気が未だにあるのかが分かる。日産のこの当時のセダン車はトヨタよりよほど強かったと言える。

伊藤かずえさんには、今後も定期的にこの車両についてSNSやメディアを通じて魅力を発信し続けて頂きたい。現代のシーマブームの一翼はこの方のシーマの影響もかなり大きいと思われる。娘さんも免許を取得し、この車を運転されているそうなので、親子で乗り継ぐというのも何とも味のある話である。

今ではここまで角ばったデザインの車両は皆無なので、車両感覚を掴むには初心者目線でみても非常に運転しやすい車両だと言える。(特に左フロントの感覚など)古き良き魅力を乗り継ぎ、そして思い起こしてくれる伊藤さんには今後もさらにSNSなどでシーマを発信して頂きたい。

PS

良いものを長く乗り継ぐ、最終的にこれこそ究極のエコ。

税金が高くなろうが燃費がいくらか悪かろうが良いものは良い。y31セドリックまた本気で探そうかなと思わせてくれる、そんな素晴らしい一件でした。