定番中の定番だけどやはり見てしまう番組がある。未だに年末の民放番組で視聴率トップと言われる「 ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!笑ってはいけないシリーズ  」は真剣勝負で挑む意外な出演者がいるから面白い。笑いというくくりで、中途半端な演技や芝居で望まない。必死な姿が脚本に描かれてる、おバカな内容とのギャップが笑いに変わっている。

特にこのガキ使いの年末特番での大きな特徴は、普段はさほどバラエティなどに出ない演技派のキャストが、見栄や体裁に捉われず、派手で下品とも言われるセリフを発してレギュラー陣を罵倒する。芝居の様子はいつものドラマや映画そのものでも、脚本がもろ「お笑い」に変換されてる。真剣であればあるほど、その意外性とギャップ、そして五人のレギュラー陣の定番の笑いが安心を作る。

ここ近年では「マンネリしすぎて面白くなくなった」「昔の方が良かった」という意見も少なくない。確かに、ワタシもシリーズの初期から録画などして見ているが、年々豪華な俳優陣(女優含む)で笑いを取ると言うイメージは否めない。しかし、その定番化した構成を、視聴者である大衆は求めているのではなかろうか。

番組を見ていない人もいると思うので、恐縮な内容ではあるがお決まりの「バス移動」での笑いのシーンと、現地へ着いてから施設を見学しつつ、レギュラー陣の待機室での笑いの経緯は今年も変わらない。フタを開けてみると、豪華なゲスト出演陣の演出よりも、結局いつもの5人の待機部屋での笑いが一番面白かったという意見も非常に今年は根強い。

タイキックや蝶野ビンタなど、もうどれくらい前から恒例の演出となっているだろうか。明らかに先の展開が見えてるのに、分かっていてもその笑いの構図を知らずに求めてしまってる。「それでも面白い」があるから、この番組は20年近く毎年続いている。年末の視聴率が見込める時間帯に、日本テレビの命運を握りつつ長く続けられるには、やはり理由があると言える。

改めて考えさせられたのは、バカバカしいと思えるものほど真剣勝負するから面白い。今年のカジノ編での個人的に良かったのは、カジノオーナー役に扮した、菅野美穂さんの迫真な演技がそれに当てはまる。一見するとバカバカしい恰好やセリフでも、ドラマや映画と同等に演じきる。芸人扮するホテルマンのどつ付き合いのケンカを、身を挺して制止する姿に笑いがあった。そこまでするかと。(笑

そして普段の役柄やキャラでは、まず言い放つ事のないであろう荒くれた姿が、一つのギャップの強い笑いを生み出す。今回は、過去のシリーズを振り返るシーンも、クイズ形式で放送された。17年度に放送されたベテラン俳優の西岡徳馬氏のよしもと新喜劇で馴染みある「乳首ドリル」の熱演は圧巻そのものだ。

笑いを越えて、レギュラー陣からも思わず拍手されるなど、感動すら覚えさせてくれる。ワタシもその時リアルタイムでも見ていたが、振り返りの映像を何度見ても見事だな、その一言に尽きる。

ベテラン俳優が想像以上のクオリティで、バカなネタを演じ切る。もはやその勇姿が、笑い以外にも同業の仲間に、勇気を与えたという話は、非常に興味深いものがあった。

バカバカしいと思えるものでも、決して手加減しない姿勢は笑いも感動も作り出す。笑いが王道なダウンタウンの2人も、過去にはドラマ出演もこなしている。

このように、普段の自分の対極な世界に持を投じる事でも、時として人に笑いや感動を与えるあたりに、何とも演じる世界の不思議な魅力を感じる。

何事も一生懸命に~とまとめてしまえば、ごく当たり前の事のように思われる。しかし、その当たり前が想像以上に我々視聴者へ笑いと感動を生み出しているのは間違いない。

あ~おもしろかった、あるいは今年はイマイチだったな、で終えてしまうにはあまりにもったいない「ガキの使い」シリーズ。今年の年末も、定番の中にどのような笑いを作り出すか、大いに楽しみにしたい。

マンネリの笑いにも魅力があるから、何やかや毎年厳しい意見が集まるのも理解できる。それは番組への期待の裏返しに他ならない。